【女の相談室】「電気が体に!」女性用バイアグラは「気持ち」を開放

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   「まるで電気スイッチが入ったかのようだった!」。米紙ワシントン・ポストは、薬の治験に参加した女性たちの感激の言葉をそう伝えている――。米食品医薬局(FDA)は2015年8月18日、「女性用バイアグラ」と呼ばれる女性の性欲を高める効果のある薬剤「フリバンセリン」を認可した。

   薬の承認をめぐっては女性団体の間でも賛否が分かれ、3度目の正直での認可となった「フリバンセリン」だが、いったいどんな薬なのか? 性に悩む女性たちの救世主となるのか? 日本での認可の行方は?

  • いつまでも性を謳歌したい(写真はイメージ)
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「結婚生活さえ危うくなっていたのに...」

   もともとフリバンセリンは、抗うつ剤として開発されたものだ。抗うつ剤としての効果が今ひとつだったが、ドーパミンやノルエピネフリンという性欲を高める神経伝達物質の分泌を促すと同時に、性欲を減退させるセロトニンの分泌を抑える効果があることがわかった。そこで、女性の性欲を回復する治療薬に衣替えをしてFDAに申請されてきた経緯がある。

   男性用バイアグラとの決定的違いは、バイアグラがペニスの海綿体への血流を良くして物理的に勃起を促すのに対して、フリバンセリンは、ある種の「抗うつ剤」であり、性に対する消極的な気持ちを開放して性欲を高めることだ。つまり、男性用はペニスに直接作用するため、効果は形にすぐ表れるが、フリバンセリンは脳に作用するため、効果は気持ちに表れる。このため効果を確認しにくい点は否めない。

   性欲の強弱は個人差があるし、臨床試験でも効果が表れたのは服用開始から4週間後~8週間後。また、満足を得た性行為の回数は月に平均4.4回で、服用前に比べて1.7回ほど増えた程度だ。劇的な効果ではない。この点も過去2回、認可が見送られた理由の1つだ。それでも、性欲がわかずセックスができなかった女性にとっては朗報で、「結婚生活さえ危うくなっていたのに、夫との夜の営みが復活して電気が体に流れたようです」と冒頭の女性は語っている。

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