日本産科婦人科学会は2015年9月2日、望んでも妊娠できない期間を「2年間」としていた不妊症の定義を「1年間」に短縮することを公式サイトで発表した。
その理由について学会では、WHO(世界保健機関)や海外の関連学会が「1年の不妊期間」としていることや、女性の晩婚化、キャリア志向などから女性の妊娠する年齢が上昇しており、女性がより早く不妊治療を行うことを期待して結論に達したと説明している。
日本では不妊症に悩んでいるカップルは10組に1組とも5組に1組といわれ、約50万人が治療を受けているという。女性の平均初婚年齢は30歳に近づいているが、一方、生殖年齢は25歳以降少しずつ低下する。欧米では、女性の間で母体や卵子への影響から不妊治療は少しでも早い方が効果的という意識が高い。
日本生殖医学会も、産科婦人科学会の定義変更を受けて、Q&Aを改訂した。「月経不順や無月経期間が長く排卵がうまくいっていない場合、子宮内膜症や子宮筋腫があり月経がつらい場合などは不妊症の可能性が高いこと、女性の妊娠可能年齢は限られている」と指摘。一定期間妊娠しないことを条件とせず、早めに産科婦人科医を受診するよう呼びかけている。