ドイツ車、ディーゼル車全体に不正のイメージが・・・
今回、VWの不正の対象となったディーゼル車は窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)など有害物質を排気ガスに多く含むことが問題だったが、燃費のよさや二酸化炭素(CO2)排出量が少ないという点では、優れた環境性能をもっていた。
そこで、VWなど欧州メーカーは有害物質の排出を抑える新しいディーゼルエンジンの開発に注力。この新型のディーゼル車は、いまや欧州市場の新車販売の約半分のシェアを占めるほどで、日本でもHVを追う次世代のエコカー、「クリーンディーゼル」車として急成長している。
クリーンディーゼル普及促進協議会によると、日本でのクリーンディーゼル車の販売台数(国産車を含む)は、2012年に4万567台だったが、13年には1.8倍超の7万6141台に増え、14年も7万9565台と急速に普及が広がっていた。
その主役が、VWやBMW、メルセデスベンツなどのドイツ車だった。それだけに、今回のVW問題は、ドイツ車全体に、そしてディーゼル車全体に不正な規制逃れがあるかのような印象が広がっており、影響は日を追うにつれ深刻になっている。