目標は廃案ではなく意見表明?
すると為末さんのもとには、さまざまな反論や批判が寄せられることとなった。SEALDs支持者とみられる人々からは、
「ご自分の目で現地で見てください。為末さんにはガッカリです」
「SEADLsがハイセンスだったから感じるヒガミ」
「ご自分の言葉で、建設的な批判をしましょう」
といった厳しい声が寄せられた。
為末さんはこうした意見を一つ一つ拾い「丁寧」に返信していたのだが、そのほかの人々からも、「SEALDsは『SNSを利用してゆるくつながる、組織を作らない、リーダーを立てない』という組織であり『勝つ』という考え方をしていないのでは」といった意見や「スポーツの勝ち負けと今回のデモは違うのでは」といった具体的な反論が届いた。
安田さんの記事は、「廃案」が目標であることを前提に書かれており、為末さんも同じ認識で話を進めていたようだが、「成果のありなしは参加者それぞれ」だとする声や「参加者は次の選挙等を見据えており、廃案がゴールではなかったのでは」といった指摘がくると、
「例えばメダル獲得が目的なのか、それとも競技に注目を集めるのが目的なのかによって手段が違うし評価も違うのですが、僕が勝手に安保を止めるのが目的だと思っていたので、その認識間違いがあったみたいです。すいません」
と謝罪。「廃案を目指すのではなくて、声を出して意見表明をすること自体が目標だったのだと認識しました」と改めた。
さらに、日頃の発言が賛否を呼ぶことについても触れて、
「結局僕が炎上する時の一番の要因は、みんなそんなに一番になったり絶対目標を達成したいわけじゃないのに、そういう前提でつき詰めて話しすぎることじゃないかと思って、反省しております」「僕は勝敗や目的達成にこだわりすぎる」
と述べた。