川島なお美さんや岩田聡・任天堂前社長を死に追いやった「胆管がん」 見つけにくく、治療しにくい「難しいがん」だった

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腹部超音波検査の結果に要注意

   自覚症状がなく早期発見が難しいがんといえば大腸がんもそのひとつだが、国立がん研究センターが発表している「全国がん罹患モニタリング集計」では、大腸がんでも46%が転移前に発見されているのに対し、胆管がんはわずか19.9%。診断後5年以内の生存率に至っては、ワースト1のすい臓がんに次ぐワースト2となっている。

   発症率は川島さんや岩田さんがそうであったように50歳を過ぎるころから増加し、加齢と共に上がっていく。生存率を高めるためには40歳ごろからの定期的な検診が欠かせないが、胆管がんは厚生労働省の定める「がん検診」の対象にはなっていないため、自主的に検診を受ける必要がある。

   胆管がんの検診の一般的な検診は腹部超音波(エコー)検査と血液検査になるが、渡邊医師によると、エコー検査は進行していなければわからない場合があるという。

「より詳しく調べるためには、MRCP(MRIの装置を利用し胆のうや胆管を撮影する検査法)や内視鏡による検査になります」

   会社勤めであれば、30歳から年1回の定期健康診断で腹部超音波検査を受けられるところもある。胆石やポリープが見つかった場合、専門医に相談するといいだろう。血液検査や腹部超音波診断で異常が見つかった場合、MRCP、内視鏡検査等の精密検査が勧められる。自営業、無職なら、人間ドックなどで用意されている「肝・胆・すい臓検診」などを利用することになる。

[アンチエイジング医師団取材TEAM/監修:渡邊昌彦 北里大学医学部外科学教授・北里研究所病院副院長・日本内視鏡外科学会副理事長]


アンチエイジング医師団

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