沖縄県の翁長雄志知事が2015年9月24日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古沖(名護市)移設をめぐり、「私たちも県の権限、名護市は名護市の権限等々、色々持っているものがある」などと述べ、あらゆる法的手段を駆使して工事を阻止する考えを改めて示した。
翁長知事は仲井真弘多前知事が承認した辺野古沖の埋め立て許可を取り消す手続きに入っており、政府と法廷闘争に発展する可能性が高い。「安倍政権も長くてあと3年。来年は参院選もある」と述べ、本土の民意が変化する中で移設反対論の盛り上がりに期待を寄せた。
演説通じて「警鐘を世界中の人で鳴らしてもらいたい」
翁長知事は9月21日(日本時間22日)、スイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会で約2分間にわたって演説し、辺野古問題をめぐり
「沖縄の人々は自己決定権や人権をないがしろにされている」
と訴えた。
翁長知事が特派員協会で会見するのは15年5月以来4か月ぶり。今回会見では、国連演説の狙いを、
「沖縄県民の自由・平等・人権・民主主義というようなものをほとんど顧みない日米安保体制の中で基地ができあがっていくことについて警鐘を世界中の人で鳴らしてもらいたい」
と説明した。米統治下の経験を踏まえながら、辺野古移設に抵抗していく考えだ。
「私たちは27年間米軍の施政権下で無国籍の人間として人権も蹂躙された時代を生きてきて、そしてその中で、小さな島ながら戦って、ひとつひとつ人権を積み上げてきた私たちには強さがある」
「いわゆる日本国憲法、あるいはまたそれぞれの法律に従って、法律的に取り消しができるように行政としてはやる」