注意力や記憶力に悪影響、アルコールや薬物中毒にもつながる
ケリー氏によると、今の社会は「睡眠を奪われた社会」。注意力や記憶力に悪影響を与え、アルコールや薬物中毒といった問題を引き起こすと主張している。睡眠を「奪われた」割合が最も高いのが14~24歳で、高校までは10時、大学は11時始業にすると最も概日リズムに合うという。
ケリー氏は、長く眠ると「成績が10%伸びる」とも主張している。ある高校で始業時刻を8時50分から10時に遅くしたところ、全国統一試験(GCSE)で高得点を取った生徒の割合が34%から50%に上昇したという。
この仮説を実証するため、大規模な調査も予定されている。調査は14~16歳が通う100校を4つのグループに分けて行う。1つ目のグループでは、始業時刻を10時に遅らせ、2つ目のグループでは「夜に画面を見るような活動は避ける」といった「睡眠教育」を行う。3つ目のグループでは10時始業と睡眠教育の両方を行い、4つ目のグループでは何もしない。調査は2年間にわたって行われ、2018年に結果を発表する予定だ。
現地の記事のコメント欄には、
「朝に働く人はどうなるのか」
「本当はそうしたいが、稼ぎのためにはやらざるを得ない」
といった、主張が実情を踏まえていないといった声が多い。