産経新聞は、今や業界ナンバーワンだ。安倍晋三首相との、関係の深さでは......。
2015年9月19日午後、未明に安全保障関連法を可決させたばかりの安倍首相が真っ先に単独インタビュー取材に応じたのは、ほかならぬ産経新聞だった。
新聞では産経、テレビでは日テレ
「何とか成立することができてよかった」
20日付朝刊に掲載されたインタビューの一節だ。首相のリラックスした様子がうかがえる。取材は約30分かけて行われ、今回の安保関連法から、憲法改正、内閣改造、TPPなど、幅広い問題についてとうとうと持論を展開している。
首相はこのインタビュー後、続けて日本テレビの取材を受け、そのまま山梨県での休暇に入ってしまった。法案に肯定的だった読売新聞を含め、他紙は22日の朝刊段階では、いまだ首相を単独取材の形で紙面に登場させられていない。新聞ではまさしく産経の「独占」インタビューだった。
首相が取材に応じるメディアを「選別」しているとの声は、以前からたびたび上がってきた。特に安保関連法の審議中には、フジテレビ「みんなのニュース」や、わざわざ大阪まで足を伸ばして読売テレビ「ミヤネ屋」「そこまで言って委員会」などにも出演、さらに雑誌「WiLL」(ワック)やニコニコ生放送にも顔を出して「国民への説明」に努める一方、テレビ朝日やTBSの番組には、最後まで出演しなかった。