「なんか喋ってよ」「大人しいよね」――。こういった言葉が、他人とコミュニケーションを取ることが苦手な人への嫌がらせだと主張する「コミュハラ(コミュニケーションハラスメント)」という言葉がある。
タレントらがテレビ番組でそれに苦言を呈し、ネット上で論議になっている。
「どんどん生き辛い世の中になっていく」
視聴者から寄せられた「コミュハラ、どう思いますか?」という意見を取り上げたのが、2015年9月20日放送の「ワイドナB面」(フジテレビ系)だ。
今回のコミュハラをはじめ、職場の権力を利用した「パワハラ」や、カラオケで他人への歌を強要する「カラハラ」など、ハラスメントと見なされる対象が急激に広まっている。このことに対して、番組出演者でタレントのヒロミさん(50)は、
「どんどん生き辛い世の中になっていくし、誰も何も言えなくなってしまう」
と否定的な意見を述べた。
続けて、「従業員に対して、『彼氏できた?』なんて聞けないよね、セクハラになっちゃうから」と苦笑い。ジムの経営など実業家としての一面を持つ自身の経験から、職場などでのコミュニケーションが難しくなっていることを訴えた。
また、番組のコメンテーターをつとめるお笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さん(51)は「もうね、ハラスメント・ハラスメント、ハラハラですよ」と主張。何をしてもハラスメントだと批判される、現代の風潮それ自体が嫌がらせに感じると、痛烈に皮肉った。