ガソリン車にも追いつかれる燃費性能
近年ではライバルのエコカーの性能も向上。とくに、スズキが昨年末に投入した軽乗用車の新型「アルト」は、HVではない、普通のガソリン車だが、3代目プリウスを上回る1リットル当たり37キロを達成するなど、「エコカー」としてのプリウスの優位性は盤石ではなくなっている。さらには昨今のガソリン安によって、米国では燃費性能がさほど重視されない傾向も出ている。
こうした状況でトヨが投入する4代目プリウスは、「もっといいクルマつくろうよ」という豊田章男社長の哲学のもとで、燃費性能を高めると同時に「走る楽しみ」も重視したという。具体的な設計は明らかにされていないが、「カーブや坂道での運転のしやすさ、パワーなどで従来のプリウスを大きく超える」(トヨタ幹部)とし、車体の色をはじめデザインにも工夫が施されるという。
いずれにせよ、米国ではガソリン安、日本では消費増税後の新車不振と、プリウスの2大市場に逆風が吹く中での4代目投入になるだけに、自動車業界全体が消費者の反応を注目している。