「ニュースを見ていたら、もう腹が立って!」。70代の主婦の女性は、国会前で行われているデモに初めて参加した理由をこう話した。
大粒の雨が降った2015年9月17日昼、国会前には多くの人が詰めかけ、安全保障関連法案への反対と安倍政権を非難する声を上げ続けた。
「NO WAR」と書かれた雨傘
埼玉県所沢市から1人で来たという冒頭女性は、政権の安保関連法案の進め方について、「強引すぎて、がまんできなかった。国民の声に耳を傾けないと」と、初めてデモに参加する決意をしたという。「安保関連法案そのものは全部反対という訳じゃない。でも改憲するのが先でしょ」と語った。
国会前では昼過ぎから大雨が降る中、大勢の人が「政府は国民の声を聞け!」と法案と政権への非難を繰り返した。
SEALDsをはじめ若者の存在が注目される国会前デモだが、昼ごろはお年寄りの姿が目立つ。傘を差すと周囲の人にぶつかってしまうと雨がっぱを着る人が多く、女性2人は「朝からデモに参加していたから」と濡れながらおにぎりを食べていた。
「NO WAR」と書かれた傘をさしていた70代の女性は、「60年闘争のころからなの」とデモ参加のベテランぶりを語る。お年寄りを中心に活動する「OLDs」メンバーの男性は、公明党批判を行う創価学会員をサポートする活動をしていると話した。
周囲は大勢の警官が警備に当たり物々しい雰囲気が続く。近くの首相官邸前では、安保法案に賛成する「頑張れ日本!」がデモを行い、「頑張れ安倍総理!」と書かれた横断幕を掲げていた。
この日の16時ごろ、参院特別委員会で安全保障関連法案が与党などの賛成多数で採決された。与党は同日中に参院本会議へ上程し成立を図る構えを見せている。