「暴力を振るう小学生は増えてはいない」という意見も
そうした中で、最近はすぐに警察が出て来るからこれまで見えなかったものが顕在化しただけ、という意見も少なからずある。今回の調査結果は鵜呑みにできるほど単純なものではないらしい。時事通信は15年2月26日に小学生の校内暴力が増加した事についてこんな記事を配信している。 警察庁の担当者の話として、
「いじめ防止対策推進法の施行もあって学校や親の意識が変わったことが考えられる。小学生は特に学校内で解決する傾向が強かったようだが、最近は警察に通報する事案が増えている」
つまり、小学校側が「暴力」のあったことを表ざたにするようになった、というものだ。現場をよく知るある教育関係者は、J-CASTニュースの取材に対し、
「荒れる小学校などと言われていますが、5年前と比べ暴力を振るう小学生が増えたかというと、それほど変わらないのではないでしょうか」
と明かした。暴力行為をする小学生は限られていて、その一人が何度も何度も「事件」を起こす。これまではそうした行動を「トラブル」として処理していたが、
「教育現場では悪い事は悪い事、暴力はいけない、ということを子供にきっちりと教えるべきだというように変わってきました。その際は、警察や地域コミュニティーなど関係各所と連携したほうがいいわけで、結果的に暴力があったという数字が大きくなったのだと思います」
と語った。13年に公布されたいじめ防止法がそれを加速させたのだという。現在はある意味「膿」を出しているような状況で、これからの推移を見守っていきたいと教育関係者は話していた。