安全保障関連法案の成立に向け、安倍晋三首相は精力的にテレビ出演を続けている。参院特別委員会の開催中にもかかわらず、在阪テレビ局の収録に参加する積極さまでを見せたほどだ。
その一方、2015年に入ってテレビ朝日やTBSでの出演は、9月半ばになってもいまだゼロだ。安倍首相が出演する放送局とそうでない局の違いは何か。背景には各局との距離感が関係してそうだ。
「そこまで言って委員会」ではジョーク飛ばす
2015年9月6日放送の「そこまで言って委員会NP」(読売テレビ)に出演した際は、大きな拍手に迎えられてスタジオに登場。週刊文春に報じられた「吐血疑惑」について質問されると、「ゴホッ」とわざとらしくせき込んでみせ、「高杉晋作じゃありませんから」と笑い飛ばした。
番組が収録された9月4日は、同局の「情報ライブ ミヤネ屋」にも生出演。参院で特別審議が行われているにもかかわらず、わざわざ大阪まで足を運んで番組をはしごした格好だ。
安保関連法案の今国会での成立に対し、世論調査が厳しい結果を示す中、安倍首相は活発にテレビ出演を行っている。7月20日にはフジテレビ「みんなのニュース」に出演。安保関連法案を火事にたとえ、模型を使って説明する場面が話題になった。
そのほか8月14日にNHK「ニュースウォッチ9」、地上波以外でも4月20日にBSフジ「プライムニュース」、7月21日にBS日テレ「深層NEWS」に出演した。
その一方、2015年に入ってから地上波ながらテレビ朝日やTBSにはいまだ出演していない。たまたま両局が出演依頼を出していなかっただけなのか。J-CASTニュースの取材に、テレ朝は「放送にいたる過程については、従来お答えしておりません」と回答。TBSからは「番組制作の過程については、かねてよりお答えしておりません」と回答があった。