「ウェーダー」と呼ばれるスーツを着ると動きやすい
常総市がある茨城県の県民情報センターの担当者にそのあたりを聞いてみると、こんな答えだった。
「今回の災害においては、長靴を履いて避難をすると危ないという指示は災害対策本部では行っておりません」
ある長靴メーカーに取材すると、冠水時に長靴で出歩くのは危ないという情報がネット上に出回っているのを知っているが、それに忸怩たる思いをしているのだという。確かに長靴の中に水が入ると重くなり動きにくく、水の勢いで体ごと流されてしまうイメージがある、しかし、
「長靴は膝近くまで水がある場所を歩くようには設計されていないし、仮にスニーカーや革靴を履いたとしても水に濡れ重くなるから結果的に変わらない。つまり、そのような場所を歩くのには適していないし、そもそも危険な場所は歩いてはいけない、ということなんです」
と説明した。冠水の深い場所を避けて長靴に水が入らない場所を選ぶならば履物は長靴が一番優れている。また、どうしても膝ほど高い冠水地を歩かなければならないならば、漁師が着ている長靴とサロペットが一体化したような「ウェーダー」と呼ばれるスーツを着ると動きやすい、ということだった。