「特別に許可を得て撮影しています」... テレビでよく見る「注釈」、たけしが「しらけるよね」

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   「特別に許可を得て撮影しています」「この後スタッフがおいしくいただきました」――。最近、バラエティ―番組などでよく見かけるこうした注釈について、タレントのビートたけしさんが「しらける」と嘆いた。

   2015年9月13日放送の「オモクリ監督」(フジテレビ系)では、「ゲスト監督」の1人だったよゐこの濱口優さんが「注釈が多すぎるテレビ番組」として制作したVTRを発表。バラエティ―番組の現状を皮肉った。

  • ビートたけしさん(2015年7月撮影)
    ビートたけしさん(2015年7月撮影)
  • ビートたけしさん(2015年7月撮影)

濱口「お詫びばっかり入れて番組が進まなあかんくなる」

   VTRの中身は「サービスエリアGO!GO!」という架空の番組で、サービスエリアの絶品グルメや注目スポットを紹介するというもの。一見すると、よくありそうな番組なのだが、わずか5分弱の間に30回以上も「※」で注釈が入る。

   「特別に許可を得て撮影しています」「個人の意見です」といったおなじみの内容だけではない。お笑い芸人が話していると「まもなくオチを言います」。コント中に相方の頭を叩こうものなら「本気で叩いているわけではありません」「音は大きいですが見た目ほど痛くありません」と何度も注が表示される。

   ゲストと偶然会ったようにみせる定番の演出は「事前にリハーサルを行っています」の注釈で台無しだ。女性レポーターが「3万個ぐらい食べれちゃうかも」とコメントした際には「卑猥な表現に聞こえたことをお詫びします」という過剰反応なお詫びテロップが出る始末。

   そして番組エンディングでは「このバラエティ番組はフィクションですが登場する人物・団体・名称は実際に存在します。また芸人が頭を叩いたりする過激なシーンは芸人特有の『おいしい』という価値観のもと行っており 決して暴挙などではありません」との注釈が映し出されるという、痛烈な皮肉が展開された。

   見終わった千原ジュニアさんが「(こういう未来が)来る...かもわからないですね」と苦笑すると、監督した濱口さんは「来るでしょう、テレビがこんだけ弱くなってたら。ずっとお詫びばっかり入れて番組が進まなあかんくなるんじゃないかな、と」と憂慮した。

たけし「誰がこんなこと言うようになったんだろう」

   するとたけしさんは「これ面白いね」と評し、「今みて『そうそう』って普通になっちゃってる感覚があるんだよね」と、注釈に慣れてしまっている現状を振り返った。その上で、

「『食べ物はスタッフで食べた』とか、出たらしらけるよね。お笑い、本当にやんなっちゃうよね。誰がこんなこと言うようになったんだろう」

とぼやいていた。

   何かとクレームがつく今の世の中、「注釈」は送り手側の自己防衛として機能する。各企業がCMで当たり前のように使っている「CM上の演出です」とのテロップは、まさにクレーム対策の一環だろう。

   こうした注釈をバラエティ番組までが多用することには「野暮」「無粋」という声も少なくないが、つけざるを得ない状況になっているのかもしれない。

   2013年4月放送の「めちゃ×2イケてるッ!」(フジテレビ系)では、AKB48(当時)の板野友美さんが、前田敦子さんのモノマネを披露するキンタロー。さんを見て不機嫌になるという演出がなされたのだが、その結果、板野さんのツイッターに批判的なコメントが数多く寄せられ、両者がツイッターで釈明する事態となった。これを受け、ナインティナインの岡村隆史さんは、

「もうこれからバラエティー番組って全部『コントやってます』って出さなあかんかもわからへんな。『コント中です』って」

と後日、ラジオ番組で嘆いていた。

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