妻が柔道の「やわらちゃん」として知られるオリックスの谷佳知(42)と、中日の和田一浩(43)が、ともに今季限りで現役を引退することになった。この二人、名球会入りで明暗を分けた。
両選手の決断が明らかになったのは、ペナントレースも大詰めの2015年9月中旬。
和田「そう(引退)なると思う」
谷「野球人生をいい結果で終えられると思う」
二人のこの言葉を「やはり」と周囲は受け止めている。
二人は同学年である。和田は1972年6月生まれ、谷は73年2月生まれ。ともに97年プロ入り。和田は県岐阜商-東北福祉大-神戸製鋼を経てドラフト4位の捕手として西武入団。外野手の谷は香川・尽誠学園-大阪商業大-三菱自動車岡崎の後、ドラフト2位指名を受けオリックスへ。
入団時は高評判の谷、注目されなかった和田
同じような道を歩んだが、プロ入りのときは谷の評判が高かった。
「俊足強肩強打の即戦力」
これに対し、和田はほとんど注目されることはなかった。
事実、谷は新人の年に100試合出場をクリア、翌98年からレギュラーをつかんだ。2002年には盗塁王、03年はパ最多の189安打,21本塁打、92打点、打率3割5分(2位)と自己最高をマークした。
一方の和田は外野手に転向し、レギュラーとなったのはようやく6年目。05年には打率3割2分2厘で首位打者を獲得。2000年代前半のパを代表する選手に成長した。
この後、両選手はともにセに移る。谷は巨人移籍の07年、172安打を放ち打率2位の3割1分8厘。和田は08年に中日入りすると、10年に171安打、37本塁打、93打点、打率3割3分9厘、長打率1位の6割2分4厘と自己最高をマークした。そのころから両者の勢いに違いが表れた。和田が主軸打者として重みを増したが、谷は控えに回ることが多くなり、14年にオリックスに戻った。