鬼怒川の堤防決壊について、民主党政権が事業仕分けをしたことの悪影響だといううわさが、ネット上で出回っている。
民主党政権は、2010年10月28日に行った事業仕分けでスーパー堤防の事業について、廃止の判定をした。
鬼怒川は、もともとスーパー堤防の計画外
スーパー堤防とは、200年に一度の大洪水に備え、堤防の幅を高さの30倍に広げ、越水しても堤防が削られにくくするものだ。判定では、首都圏などで873キロが完成するまでに400年、12兆円超のお金がかかるとして、仕分け人が「スーパー無駄遣い」だと断罪していた。
鬼怒川の決壊を受けて、ネット上では、これはスーパー堤防がなくなったからだと勝手に関連付ける書き込みが相次いだ。「事業仕分けしてた民主政権のツケ」「削減した予算のせいで被害が拡大した」「民主責任取れよ!」といった強い非難の書き込みも目立つ。
これに対し、仕分け当時に行政刷新相をしていた蓮舫参院議員は、15年9月12日のツイートで、「看過しがたいデマ」だと反論した。堤防が決壊した鬼怒川は、仕分け前からスーパー堤防の計画に入っていなかったとして、冷静な対応を求めたのだ。蓮舫事務所でも、悪質なデマには法的措置を検討するとツイッターで自制を促した。
報道によると、民主党の枝野幸男幹事長も14日、「スーパー堤防は、首都圏や近畿圏の大河川の下流域に対応する防水施策であり、今回の災害とは全く関係ない」と記者団に語った。
実際、スーパー堤防は、廃止判定を受けた後、地元の要望や震災の影響などもあって、民主党政権時代の11年12月に下流域の120キロに限定して事業が継続されることになっていた。