「木村氏が採決について『機は熟している』と言い切ったのが印象的でした」
放送後にツイートした内容も問題視された。番組に出演していた木村草太・首都大学東京准教授の発言について、ツイートでは、
「直後の感想戦が実は非常に面白いことがよくあります。そこでは『主張が重なる部分』も実は多いことなどが互いに確認されたりします。きょうは反対代表としてご出席頂いた木村氏が採決について『機は熟している』と言い切ったのが印象的でした」
と紹介した。この文脈だと、賛成派も反対派も「採決には賛成」という点で「主張が重なる」と指摘しているようにも読める。採決は野党が反対する中で行われるのは確実で、ツイートの読み方によっては木村氏が強行採決を容認しているとも読める。だが、実際の番組の発言は、かなり文脈が違う。木村氏は番組終盤に司会者から「今国会の議論が十分に尽くされているか」について意見を求められ、確かに、
「時機自体は私は熟しているというふうに思う」
と発言している。だが、直後に(1)憲法解釈の専門的なトレーニングを受けた人のほとんどが、法案に違憲な部分があると指摘している(2)世論調査でも違憲を指摘する人が多く、少なくとも今国会では成立させるべきではないという声が多い(3)政府はこれ以上説明する気がなさそう、などと改めて法案を批判した上で、
「これは否決・廃案以外にはない、そういう判断ができる時期に来ていると思う」
と述べている。採決した上で否決すべきだと述べているわけだ。
公式アカウントは、「反対意見が理解しにくい」というツイートについては、
「自分の意見と違う人の意見は耳に入りにくく、同じ意見だと理解しやすいと言う意味で書いた」
と、あくまで一般論だと釈明。木村氏の発言についても、
「『(採決の)時機は熟している。...否決し廃案にするしかない』と番組で述べています。そのことが印象的でした」
と補足説明し、2つのツイートに対して寄せられた指摘は「誤解」だとした。採決が迫っている状況での失言なだけに、単なる「舌足らず」では済まされないと受け止める向きもあるようだ。