東海大学は、神奈川県平塚市にある湘南キャンパスに「インターナショナル・カフェ」をオープンする。
店内は、メニューや学内掲示板、流れているテレビ番組も備え付けの雑誌も、すべてが「英語」という徹底ぶり。もちろん、働いているスタッフも英語で接客する。
英語メニューにネイティブスタッフ、TVはCNNに
理工系から情報系、社会・人文科学、スポーツなど多様な9つの学部と大学院が併設された広大な東海大学・湘南キャンパス。その正門を入ってメインストリートを歩くと、右側に研究実験E館が現れる。陸上競技場の手前、そこに「インターナショナル・カフェ」がある。
東海大学によると、カフェはセルフ式コーヒーショップのドトールコーヒーと協力し、そのフランチャイズとして学生食堂を営む会社が運営。学生が夏休みを終え、後期の授業がはじまる2015年9月16日にリニューアルオープンする。
募集中のスタッフは、ネーティブの外国人や英会話を学ぶ日本人で、接客でも日本語は使わない。求人募集のホームページにも、「あなたの英語力を活用してみませんか!? 留学生の利用が多いため英会話ができる方、キャンパス内のCafeスタッフ募集」と呼びかけている。時給も1200円(3か月の研修期間中は900円)と、他の求人情報と比べて、やや高めに設定されている。
注文をはじめ接客は英語で応じる。店内のメニューや学内掲示板はすべて英語。流れるテレビ番組はCNNなど英語の番組のみ、雑誌も英語という。
キャンパスに「英会話ラウンジ」を設置するケースはあるが、学生食堂やカフェを「完全英語化」するのは珍しい。ドトールコーヒーも、こうしたケースは「初めてです」と話している。
大学の狙いは、学生の日常の英会話力の強化と留学生向けサービスの充実だ。店内では友人同士の会話もすべて英語を使うようにして、ふだんからカジュアルな交流を促していく。東海大学は38か国・地域の115大学・研究機関と学術交流協定を締結し、研究者や学生の国際的な交流に積極的。湘南キャンパスでは700人を超える留学生が学んでおり、国際学会で訪れる外国からの研究者も多い。
東海大学は「授業では学ぶことができない宗教や政治・経済などに関する異文化コミュニケーションを通じて、異文化に興味をもち、国際理解を深めてもらうことを目的としています」という。
カフェが文字どおりの「インターナショナル」な交流の場になることを期待している。
「どうしよう。英語力あげないとドトールにも行けなくなっちゃう」
一方の、ドトールコーヒーは外国人観光客向けに整備している顧客対応のノウハウを提供するなどして協力する。同社は「大学の意向にそって運営をお手伝いするだけです」と話し、具体的にはメニューやマニュアルなどの英訳を担う。
そんな「英語カフェ」に、インターネットでは賛否両論が噴出。
「東海大キャンパスにできるという完全英語化ドトール、おもしろそう。ちょっと行ってみたい」
「この取り組みめっちゃいいと思う!!! 行ってみよう」
「行ってみたいねwww でも商品名が英語で書いてあれば、読むだけで注文できるよね? それ以外に英語必要か?」
と肯定的な声がある半面、
「もう校内のドトール行けない・・・(笑)」
「どうしよう。英語力あげないとドトールにも行けなくなっちゃう」
「英語苦手な人かわいそう。いくら大学だからってそこまで英語英語いわんでもなあ・・・」
「正直、いい迷惑。こんなん成り立つんか...」
「トータルで見たら従来の客が減るだけだと思うなぁ。メニュー指さして、内容のわからん雑誌とCNN見て終わりじゃん」
と、否定的な声や集客を心配する声も少なからずある。
「インターナショナル・カフェ」は大学周辺の一般住民も利用できるが、「一般の方も店内では英語を使うことになります」と、東海大学は話している。