会社や店に、誰でも「洗脳」される可能性がある
今回の団体交渉の申し入れについて、ブラックバイトユニオンが所属する総合サポートユニオン執行委員の青木耕太郎氏はツイッター(9月10日付)で、深刻な人手不足で「店長が8か月連続勤務、学生バイトは4か月連続勤務を強いられていた」とし、「運営会社は、人員補充を十分にできずにいたにもかかわらず、営業時間も営業日も変えなかった」と、会社側が打つべき手を打たなかったと主張している。
さらに、学生アルバイトの男性が「自分のミスを責められ続け、パワハラを受け続けて『洗脳』されていた」とも指摘。会社や店の「言いなりになる」ということらしい。
年間300件超にのぼる学生アルバイトの労働相談にあたり、ブラックバイト対策を支援する首都圏青年ユニオンは、「こういったことはよくあることです」といい、「たとえばシフト勤務などで穴があくと、アルバイトに電話で連絡があるのですが、1度でもお店の要求を断ると『次から出てこなくていい』などと言われるんです。そうやって、逆らえない、逃れられないようにしていくことを繰り返していくうちに『洗脳』されていきます」と、誰でも「洗脳」される可能性があると警告する。
「お店にパワハラに遭っている人、洗脳されている人が一人でもいると、『自分も同じ仕打ちに遭う』ことが想像できるので、お互いに辞めづらくなるんです。そうやってアルバイトをマインドコントロールする職場環境が『洗脳』や『脅迫』につながりやすいといえます」と話す。
総合サポートユニオンの青木氏によると、「しゃぶしゃぶ温野菜」に団体交渉を申し入れた学生アルバイトの男性は、「『自分のせいで店長はクビになる』という店長の話が、じつはウソだったことがわかったとき」に「洗脳」がとけたそうだ。
男性は「他の人が同じ目に遭わないようにと団体交渉を申し入れた」と話している。