警察庁、消防庁では「特にルールなし」
災害時において、自衛隊が「人命優先」で救助にあたることは確かだろう。ただ、今回は犬を被災者と一緒に引き上げており、ペットだけを救助しに行ったわけではない。つまり「生存する国民の救助」が任務だとしても、「災害時にペットを救助することは不可とする」との決まりがない限り、ここで「ルール違反」とは言えなさそうだ。
実際、自衛隊にそうした「ルール」があるのだろうか。防衛省の広報室に問い合わせたが、担当者が災害対応中とあり本日中に確認を取ることはできなかった。回答があり次第、追記する。
では、自衛隊と連携して救助活動に取り組んでいる警察や消防ではどうだろうか。警察庁広報室に取材すると、「ペットに関する内規はありません」とのこと。消防庁総務課でも「ペットに関する取り決めは特にありません」と回答した。
両庁でも災害時は「人命優先」で対応していることだろう。その上でペットを救助するか否かについては「現場の(警察官の)判断になることもあるかと思います」(警察庁)という。消防庁の広報担当者も「ペットをその場に残していっても大丈夫な状況もある。さまざまなケースがあり、一概には言えませんね」と話した。
なお救助時の手順とは別の話だが、環境省では、災害時にペットと同行避難することを推進するガイドラインを出している。東日本大震災の経験を踏まえ、2013年11月に作成したものだ。同行避難は「動物愛護の観点のみならず、放浪動物による人への危害防止や生活環境保全の観点からも、必要な措置である」とし、自治体や飼い主などが日頃から準備すべきことや、発生時の対応などを記している。
(14日14時45分追記)防衛省の広報室はJ-CASTニュースの取材に対し、「ペットを救出するための根拠法令はありません」とコメント。その上で「人命救助を最優先としていますが、可能な範囲で要救助者の要望に応えられるよう対応しています」と説明した。