スズキがVWと手を切った代償 巨額のエコカー開発費がのしかかる

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自主独立路線をめぐる会長と社長の食い違い

   スズキにとっての最大の問題は、経営の自主独立性を確保した代償として、VWとの提携で期待した次世代の環境技術の開発など、経営上の課題が残されたことだ。スズキは簡易なハイブリッドシステムを開発し、これを搭載した小型車「ソリオ」を8月に発売したものの、燃料電池車や電気自動車を含めたエコカーの開発全体では後れをとっている。「環境技術の開発には巨額のコストがかかり、スズキ単独での開発は難しい」(業界関係者)との見方が強く、次の一手に関心が集まるところだ。

   スズキ以外の中堅メーカーは、マツダが5月にトヨタ自動車と提携を強めると発表し、米国での規制強化をにらみ、電池やモーターの技術の提供をトヨタから受けることになった。富士重工業もトヨタから16%の出資を受け、ハイブリッド技術を供給してもらっている。ホンダはGMと燃料電池開発で協力している。

   鈴木会長は「自立して生きていくことを前提に考えたい」と述べるが、長男の鈴木俊宏社長は6月の社長就任会見で「低燃費、(車の)軽量化の技術を本当に1社でできるか」と逆の思いを率直に語っている。

   スズキは中小型車などで独自技術を持ち、インドで5割弱のシェアを持つなど新興国に強い。他のメーカーには魅力的な"花嫁候補"だけに、今後の世界的な業界再編の「台風の目」になる可能性は大いにありそうだ。

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