エアコンの利用者が、1か月間つけっ放しにしていたら電気代が半額になったとツイッターで報告して、話題になっている。こまめに消したりするのはダメだ、というのだ。
2015年8月初めから9月初めまでの1か月間の電気代は、9690円――。9月7日のツイートでは、こんな領収書がアップされていた。
こまめに消していたときの方が高くついた
ツイートしたのは、動物愛護団体「VISUMAL」の代表をしている中村つかささん(32)だ。
それによると、中村さんは、つけっ放しにした方が電気代は安くなるというネット上の噂を試してみようと、横浜市内の自宅で1、2階のエアコン(2010年製)2台を27、8度の設定温度でフル稼働させた。すると、14年夏は2万円を超えていた電気代が劇的に安くなっていた。結果として、こまめにエアコンを消すなどしていたときの方が高くついたというのだ。
この結果に、中村さんは、「信じてよかった...」「噂は本当でした」と喜びの報告をした。
ツイートは、ネット上でたちまち大きな反響を呼び、2万件以上もリツイートされるまでになった。「おぉ これはすごい!」「本当ですか...?」「来年の夏に試してみますね!」といった驚きの声が次々に上がっている。
そこで、J-CASTニュースがエアコン利用者に取材すると、埼玉県在住の50代会社員男性も、同じような体験を明かした。
この男性は、飼っているネコが暑さで死んでしまうと、15年7月中旬から8月中旬まで自宅のネコ部屋のエアコンを27度でつけっ放しにしてみた。もう1台はいつも通りの使い方をしたが、電気代は14年夏が7000円台だったのが、今回は9800円台になっていた。
「1台はいつもの3倍ほど使ったはずなので、このままでは、2万円は超えるなと覚悟していました。それなのに、予想の半額ほどに収まったことにびっくりしましたね」
「家の断熱性能や日当たり、天気などの条件で違う」
この男性は、電気代がそれほど高くならなかった理由について、「エアコンは最初に点けるときが一番電力を食うので、オンオフを繰り返すとダメなのでは」と推測する。
ネット上では、時々こうした情報が出て試す人がいるらしく、電気代が安かったという人は、同様な理由を挙げていた。一方で、エアコンをつけっ放しにしたことで逆に電気代が上がってしまったという人もいた。理由としては、断熱の効いた家であるかどうかや、家の日当たりによるのではないか、といった指摘が出ていた。
中村つかささんに取材したところ、自宅は断熱ではない木造の家だが、1階は日当たりが悪く、2階は日当たりがいいという。中村さんは、「電気代が安かったのは、天気などの影響でたまたまだったかもしれないので、来年はうまくいかないんじゃないかという不安はあります」と漏らしていた。
大手家電メーカーの1つ、パナソニックの広報担当者に聞いてみると、次のように説明した。
「つけたり消したりを繰り返すのは、自動車と同じで、パワーを使う燃費の悪い使い方です。つけっ放しにすれば、高速を走る車のように、燃費もよくなることがあります。ただ、それは、家の断熱性能や日当たり、天気などの条件によって違います。エアコンを消した後にすぐ温度が上がるようなときは、つけておいた方がよいでしょう。一方で、消しても温度が上がらないようなら、そうしてもいいかもしれませんね」