和歌山県太地町立の「くじらの博物館」が日本動物園水族館協会(JAZA)の求めに応じ、同協会を脱退したことが分かった。同博物館は太地町の小型鯨類追い込み漁で捕獲されるクジラの購入希望を漁協に出していた。
協会が文面で脱退を求めたのは2015年9月4日で、同日付で脱退届が提出され、7日に受理された。こうした事が起こったのは、世界動物園水族館協会(WAZA)が太地町の追い込み漁を「残酷」という理由から、15年4月21日にJAZAのWAZA加盟資格停止を決めたことがきっかけ。加盟資格を復活させるためには1か月後の5月21日までに太地町のイルカをJAZA加盟の全施設が入手しないことを決定する、ことが条件付だった。JAZAは会員投票を経て5月20日に入手禁止を決めた。そうした中で「くじらの博物館」は太地町の漁協にイルカ購入の希望を出したことが発覚した。追い込み漁で捕獲したイルカの入手禁止を加盟施設に義務付けて以降、脱退が決まったのは初めて。