「事実上、マイナンバーカード所持の義務づけだ!」
また、軽減税率にマイナンバーカードを活用する仕組みには、個人情報が流出する恐れを抱く声や、小売店がカードを読み込む照合機の準備などに経費や時間がかかることを懸念する声もある。インターネットでも、
「買い物時にマイナンバーを提示しろと? レジにもデータが残るし、店からは間違いなく情報漏れが起こるよね?」
「こんなのマイナンバーカードを所持していない人は軽減税率を適用されないことになる。カード所持の事実上の義務づけだ」
「つまり政府に消費行動を管理されるという... そんなの気持ち悪い!絶対にイヤ!」
といった具合。
深刻なのは飲食料品を販売する小売店も同じだ。財務省案では、欧州のように軽減税率の対象品目ごとに税率を分けて販売すると、品物ごとに税率を分けて扱う必要があるため、小売店の負担が増すとしていた。
たしかにマイナンバーを活用すれば、そういった負担は減るかもしれないが、新たにマイナンバー対応の最新型のレジを用意する必要がある。たとえば町の魚屋や八百屋、肉屋などで昔ながらのレジを使っていたり、店先に小銭を入れるザルをぶら下げているような商いをしていたりする店にとっては、それだけで大きな負担だ。
消費増税の負担が増えようかというときに、設備投資の負担がかさむのだから、
「百害あって一利なし。日本を潰す気か。まだ10%に上げて還付なしにしたほうがいい。なんとかして潰してほしい」
といった声が起こるのも無理からぬところだ。
国民の理解を得るには、なかなかハードルは高そうだ。