朝鮮中央通信は崔氏が「出発」して「式典に参加」し「戻った」ことしか伝えない
朝鮮中央通信は9月2日と3日に、崔氏の訪中に関する記事を配信している。記事はきわめて短く、崔氏がそれぞれ「式典に参加するために平壌を出発」し、「式典に参加して平壌に戻った」という内容だけだ。北朝鮮メディアが要人の外国訪問を報じる際は、訪問先で誰と会談したかが必ず含まれるが、今回はそれもない。記事から直接読み取れるのは崔氏の訪中が1泊2日だったことだけだが、要人とは誰も直接会談できないまま帰国したと解釈するのが自然だ。
北朝鮮では、対外的には金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長が国家元首の役割を果たしているとされる。13年12月の張成沢(チャン・ソンテク)氏の処刑で中朝間の政治的パイプが途絶えてしまった上、金正恩氏や金永南氏よりも格下の崔氏しか派遣しなかったことに中国側が業を煮やしているという見方も出ている。