2020年東京五輪エンブレムを巡る「盗作騒動」は、デザインを手がけた佐野研二郎氏が取り下げを申し出るという結末となった。最後まで疑惑を否定しつつも「繰り返される批判やバッシングから家族やスタッフを守るため」などを理由に決断したものだった。
爆笑問題の太田光さんは2015年9月6日放送の「サンデー・ジャポン」(TBS系)で、インターネット上を中心に過熱していた佐野氏に対する追及やバッシングに疑問を投げかけた。
「『日本の恥』っていうほど大したことじゃない」
番組でエンブレム白紙撤回の話題を取り上げる中、太田さんは「エンブレム(の問題)って『日本の恥』っていうほど大したことじゃないと思う。外国メディアも鬼の首を取ったみたいに言ってるけど、これも大人げない気がする」と主張した。
太田さんは、ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルの作品やコラージュの手法などを例に出しながら、そもそもデザイン業界の常識や判断基準は一般の人々には「よく分からないし、判断できない」と指摘。その上で、ネットの批判については「佐野さんがどこまで悪質なのかっていうのを知らない人が突っ込んでると思う」と分析した。
五輪招致の際には「日本頑張れ!」と皆で盛り上がっていたにもかかわらず、日本人がこの騒動を「日本の恥」とし、佐野氏を守らないことに違和感を持っているようで、
「もっと佐野さんを守ればいいじゃんって。IOC(国際オリンピック委員会)だって別に(問題ないと)言ってるんだから、『お前ら外人が文句言うんじゃねえよ』って言ったっていいと思う」
と熱弁した。
佐野氏については、明石家さんまさんも「あそこまでいったら可哀想やけどな」と5日放送のラジオ番組「ヤングタウン土曜日」(MBS放送)で同情を寄せていた。
松本人志「一周まわって佐野氏案でいったほうがいい」
佐野氏のエンブレムを使用することを提案する意見もある。6日放送の「ワイドナショー」(フジテレビ系)では、ダウンタウンの松本人志さんが「ちょっとバカなこと言っていいですか」と前置きした上で、
「僕は一周まわってこれでいったほうがいいんじゃないかなと思う。色々あったけど今一番インパクトあんのは、これなんじゃないのか。こんだけ有名になっちゃってるって、ある意味、パワーですよね」
と佐野氏案を推した。エンブレムに盗用がないことを前提とした上で、佐野氏には「ここで引いたらあかんと思う。推し進めないと」と訴えた。
佐野氏案の起用については、お笑い芸人のカンニング竹山さんも「すごいバカげた意見ですけど、無償で佐野さんにもう1回デザインしてもらうのが一番丸く収まるんじゃないですか」と2日放送の「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系)の中で主張。佐野氏を再起用することで「日本人は1回トラブルが起こった人でも、もう1回認めた」と海外にアピールできる側面もあると指摘していた。