コンビニ大手による寡占化が加速
ただ、ファミマの関係者が「統合が破談になるということではない」と強調するように、統合がご破算になる可能性は低いというのが、業界に共通する見方。2011年以降、サークルKサンクスのフランチャイズの店舗約490店が次々とローソンやセブン-イレブンへと看板を変えたが、ファミマだけは手を出さなかった。あくまでサークルKサンクス本体丸ごとの買収を視野に、当時ファミマ社長だった上田準二・現会長が、手を出さないよう指示していたとされる。そんなファミマのラブコールを袖にしてきたユニーGHDも、背に腹を変えられない状況になったのが今回の統合合意なのだ。
コンビニ業界全体に目を向けても、再編の動きが一段と強まっている。ファミマが、東海地方を中心に展開する中堅の「ココストア」(650店)を買収する方向で最終調整に入ったことが3月に発覚したほか、業界2位のローソンは8月、神奈川県が地盤の「スリーエフ」(560店)と資本提携に向けて交渉に入ると発表している。
再編を考えるポイントが「プライベートブランド(PB)」。コンビニの取り扱い商品の6割近くを、メーカーと手を組んで開発したPBが占め、店舗数が飽和状態と言われる中で、成長のカギはPBが握っているとされる。取引量の多さという規模の経済がメーカーを巻き込む上での大前提だけに、大手3社を軸にした寡占化は一段と加速しこそすれ、収まることは考えられそうもない。