米国の調査機関が行った世論調査で、日本がアジア太平洋地域の大半の国で好意的に受け止められていることが明らかになった。
歴史問題をめぐる溝が埋まらない中国・韓国からは相変わらず厳しい目が向けられているが、東南アジア諸国の多くでは8割以上が日本を好意的に受け止めている。日本政府は高い好感度を生かして、さらに観光客を呼び込みたい考えだ。
インド・パキスタンは意見持たない人多い
調査は米調査機関のピュー研究所が2015年4月6日から5月27日にかけて行い、結果を9月2日に発表した。アジア太平洋地域の10か国に米国を加えた計11か国で、18歳以上の1万5313人を対象に面談と電話で行われた。
調査対象の11か国では、日本、中国、インド、韓国の4か国に対する評価を聞いた。その結果、日本を好意的にみている人の割合は71%で、中国(57%)、インド(51%)、韓国(47%)を大きく上回った。
日本を好意的にみている人の割合を国別に見ると、マレーシア84%、ベトナム82%、フィリピン81%、オーストラリア80%、インドネシア71%。東南アジア諸国での好感度は総じて高い。パキスタン、インドはそれぞれ48%と46%で、ピュー研究所の発表では「インド人とパキスタン人は、3分の1以上が日本に対する意見を持っていないと話している」としている。
歴史認識をめぐり対日批判が高まっている中国と韓国では、それぞれ12%、25%と低い水準だった。特に中国では、実に53%が日本に対して「非常に否定的」だと答えている。
日本側の中韓に対する認識も厳しく、両国を好意的にみている人の割合はそれぞれ9%、21%だった。
中国はスプラトリー諸島(南沙諸島)や尖閣列島をめぐる問題がベトナムや日本での好感度を押し下げた。韓国については、パキスタン人の65%、インド人の52%が特段の見解を示さなかった。関心が低い分好感度も上がらなかった、ということのようだ。