「スタッフが実際使っていたメガネを撮影」
真相ははっきりしないが、画像等の盗用を巡っては「前科」がある。
8月14日、佐野氏はサントリーのキャンペーン賞品だったトートバッグの一部デザインについて、事務所スタッフが第三者のデザインをトレースしていたことを認め、自らの管理責任について陳謝した。
また9月1日には、五輪エンブレムの「展開例」を示したデザイン画像について、佐野氏が個人サイトから写真を無断流用したことを認めたと大会組織委員会が会見で明かしている。
もっとも、トートバッグの件は本人が盗用したわけではなく、展開例の件も本来公にされることのない内部資料だったとの事情から、ある程度の「同情」を示す声もある。それでもプロの仕事として「脇の甘さ」を指摘する声は少なくない。
なお、多摩美大の総務課によると、大学には今回の騒動についての問い合わせがメールや電話で多数寄せられているという。今後の対応については「現在学内で検討中。必要があれば佐野氏にも事情を聞く」としている。
佐野氏は14年4月、美術学部統合デザイン学科が新設されたのに合わせて教授に就任。不定期で特別講義などを担当してきたが、16年以降は「佐野プロジェクト」と呼ばれる3、4年生の授業を担当する予定になっている。
「MR_DESIGN」広報担当者は15年9月3日夜、J-CASTニュースの取材に応じ、「2点の作品につきまして、ご指摘の画像を無断流用したというのは事実無根です」と疑惑を否定。
使用画像や担当スタッフについては、
「犬の画像については、紙で切り絵を制作しMR_DESIGNで撮影したものです。メガネの画像については、この作品を担当したスタッフが実際使っていたメガネを撮影し制作したものです」
「このシリーズは2011年8月1日より制作を開始しておりまして、開始当初より佐野本人と共に複数のスタッフが関わっております。なお、ご指摘のポスターは香取有美が担当はしておりません」
とコメントした。