日生が三井生命買収して業界ナンバーワンに これはそんなに物凄いことなのか

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住友生命は引き受けず

   三井住友グループの中では三井住友銀行の発足とともに、損保は2001年に三井住友海上火災保険が誕生するなど、金融業界で旧三井、旧住友グループの融和が進んだ。生保業界でも当初は住友生と三井生が経営統合すると目され、朝日新聞が両社の経営統合を報じるなどしたが、結果的に統合は進まなかった。財務体質の改善が進まない三井生との統合に住友生が難色を示したからだ。

   三井生が2004年、業界の先頭グループを追って株式会社となったのも、将来的な再編を意識してのことだった。大手生保の大半は相互会社だが、M&Aに積極的な大同生命保険、太陽生命保険、第一生は株式会社に転じ、いずれも株式を上場した。しかし、三井生は株式会社化はしたものの株式上場を果たせないまま、三井住友銀行や三井物産など三井グループが主要株主として支える状態が続いている。

   三井生は今春発表した中期経営計画(2015年度から3か年)で、旧来の営業職員(生保レディ)による対面販売をメインチャンネルに据えている。このビジネスモデルは日生と同じだ。日生は三井生を銀行窓販の保険商品を開発・販売する会社に特化するなど、営業職員以外の販路を拡大しなければ、子会社化の意味が薄まるだろう。S&Pは「買収が事実となった場合、新グループが打ち出す事業戦略によって国内営業基盤が強化されるかどうかに注目する」としている。

   死亡保障が中心だった日生は外資系やソニー生命保険など新興勢力に比べ、ライフスタイルが変わった日本の保険ユーザーの多様なニーズに対応しきれていない点は否めない。保険料等収入の首位奪還という数字合わせよりも、日生がどんな保険商品を開発し、新たなビジネスモデルを構築するのか。生保業界は「日生の次の一手」に注目している。

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