佐野研二郎氏(43)の手がけた2020年東京五輪公式エンブレムが使用中止となり、招致活動や1964年東京五輪で使われたエンブレムの再登板を求める声がネットで高まっている。
佐野氏のデザインに「盗用」の指摘が寄せられた後、SNSなどで徐々に広がっていた過去の作品の再登板に、芸能人も賛同し始めている。
おとろえない「桜のリース」エンブレム人気
招致時に使われたのは「桜のリース」と呼ばれるエンブレムで、会社員の島峰藍さん(26)が女子美術大時代に応募した。東日本大震災からの復興を意識した「再び戻る」というメッセージが込められている。ツイッターでは「素敵だと思う」「素直でかわいい」と以前から高い人気を集めていた。
五輪公式エンブレムの使用中止、再公募を発表した2015年9月1日の記者会見でも、「(招致時エンブレムは)国民に愛されている。修正し、本番用にすべきでは」という質問が飛んでいる。
一方、1964年東京五輪の公式エンブレムは日本国旗を基調としたシンプルなデザインで、グラフィックデザイナーの故・亀倉雄策さんによって作られた。こちらは複数の芸能人が再利用すべき、と主張している。
2日付けの朝日新聞電子版では漫画家・やくみつるさん(56)が、
「明快で荘厳。あれを超えるデザインはない。2度目の五輪開催都市として、先人への尊崇の念を持ち、理念を継承していくことが大切」
との考えを示し、シンガーソングライターの椎名林檎さん(36)も1日に事務所公式ツイッターアカウントを通じて、
「斯くなる上は、亀倉雄策氏による1964年ロゴを再利用するのはいけないのでしょうか。年号は変更が必要ですけれど。『東京・二度目の余裕』を見せていただきたい、などと思ってしまいます」
とのコメントを発表した。