佐野研二郎氏の手がけた2020年東京五輪・パラリンピック公式エンブレムについて、大会組織委員会は2015年9月1日、使用中止の方針を固めた。各社が報じた。同日午後には組織委の森喜朗会長、遠藤利明五輪相、東京都の舛添要一知事、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長らが出席する臨時会議が開かれ、今後の対応を協議する見通し。
一方、報道を受け、猪瀬直樹前東京都知事は「(エンブレムの撤回が)間に合ってよかった」と安堵の声をツイッターに寄せている。
猪瀬氏「知事復帰」の声高まる?
五輪公式エンブレムをめぐっては、ベルギー・リエージュの劇場のロゴマークに似ているとして、ロゴを制作したグラフィックデザイナーが国際オリンピック委員会(IOC)に使用差し止めを求める訴えを起こしていた。また、先日公開された原案についてもネットで「盗用」の指摘が相次いでいた。
1日昼過ぎ、各社が公式エンブレム使用中止が固まったということを報じた後、猪瀬氏は
「エンブレム中止。新国立競技場同様、遅すぎる決断だったが、間に合ってよかった。責任が問われるだろう」
とツイートした。
公式エンブレムのデザインは、コンペで選ばれた段階から佐野氏が修正を加えたものだ。大会組織委員会は8月28日の記者会見でコンペに提出された原案も公開。しかし、こちらにもネットで「盗用」の指摘が相次ぎ、同日中にマスコミでも一斉報道された。
猪瀬氏は8月31日のツイートでその原案に触れて、「原案も盗用と判明したとなると、これはもうどうしようもない」と心境を綴り、7月17日に建設計画の「白紙撤回」が発表された新国立競技場とからめながら「やり直して、日本のよいところをあらためて表現しましょうよ。いまならまだ間に合う」とエンブレムの「白紙撤回」も呼びかけていた。
こうした猪瀬氏のツイートには
「猪瀬さんが知事だったら、よかったのになぁ...」
「猪瀬さんにカムバックほしいです」
「あなたが知事だったらもっとすんなり進んでいた」
と猪瀬氏の知事復帰を求める声も寄せられている。