「ネットの電話帳」、プライバシー侵害で提訴される 電話帳側「削除依頼は例外なく受け付けない」

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「私は電話にて即日で断固拒否の回答をした」

   一方、「ネットの電話帳」の管理人とみられる人物は今回の提訴を受けて、インターネットの掲示板で、「管理人は法廷でことごとく完全論破する所存である。もちろん、経過は今後このスレッドなどで報告する予定である」と、真っ向から受けて立つ構えのようだ。

   その掲示板の書き込みによると、「(2015年8月)13日に管理人のところに『削除請求書』なる内容証明郵便が届き、もちろん私は電話にて即日で断固拒否の回答をした。それがよほど腹に据えかねたのか、世間は盆休みにも関わらず、翌日には提訴を実行したようだ」と書いている。

   訴状は8月23日に手元に届いたようで、掲示板に事件番号などを書き込み、またネットの電話帳「特設サイト」を開設し、訴状を公開した。

   第1回の口頭弁論は9月24日10時から、京都地裁第203号法廷で開かれる。

   ネットの電話帳は、これまでも個人情報保護法違反については「事実無根」を主張。「警察(熊本県警など)に『個人情報の削除要請に応じる義務はない』ことを確認しておりますし、2012年6月のサービス開始から今日まで、関係省庁から指導・指摘を受けたことは一度もありません」としている。

   適法である理由を「本サイトに掲載されている情報は、過去にハローページにより公に出版された情報をそのまま利用したものであり、個人情報保護法の規制を受けません」と説明する。電話帳の情報は随時、誰でも購入できるので、個人情報保護法の制約を受けることなく利用できると考えているようだ。

   これに対して島崎哲朗弁護士はブログで、「削除請求は、個人情報保護法に基づくものではなく、人格権としてのプライバシーの権利が侵害されたことを理由とするものです」と主張。人格権として確立されているので、「『個人情報保護法の規制を受けません』と言ったところで、削除請求を拒む根拠にはなり得ない」というのだ。

   前出の神田知宏弁護士は、「過去の判例をみても、電話帳に記載される住所などの情報については『プライバシーの利益として法的に保護されるべき利益というべきである』(東京地裁2011年8月29日判決)とあります。電話帳に出ていた情報だからネットに公開しても許されるという話にはならないだろうと思います」とみている。

   法理論的には島崎弁護士の主張が認められても不思議ではないようだが、裁判所はどう判断するのだろうか――。

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