毎年100万人近い人出でにぎわう、「東京高円寺阿波おどり」で酒に酔って羽目を外し過ぎた人たちの狼藉に、周辺住民が頭を悩ませている。
ゴミのポイ捨てや嘔吐、立小便――。「係りの人はしっかり清掃してくれているのに」と話す住民は多いが、ネット上には不満が相次いで書き込まれている。
「あちこちでゲロを吐くな!」
今年で59回目を迎えた「東京高円寺阿波おどり」は2015年8月29、30日に開催された。会場となるJR高円寺駅周辺には主催者発表で29日に44万人、30日に42万人が集まった。小雨のため例年よりはわずかに少ないが、参加者によると「駅周辺はすごい人だかり」でごった返していたという。
大盛況のかたわら、お祭りにつきものとはいえトラブルも起きてしまったようだ。ツイッターなどには、
「あちこちでゲロを吐くな!」
「風情があってすごくいいんだが、マジでゴミは持って帰って欲しい」
「うちの前で吐くな。マナー守れ」
といった書き込みが寄せられた。
そのほか、酔っぱらいに店の看板が壊された、裏通りがゴミだらけだった、体を触られたとトラブルの報告が相次いでいる。
祭りは各日17時から20時まで、駅前だけではなく早稲田通りから青梅街道まで広いエリアで行われた。
商店街の一部飲食店などでは店頭でアルコールを出しているため、酒を飲みながら阿波踊りを楽しむ人は少なくない。一部が狼藉を働き、周辺住民らの怒りを買ってしまったようだ。
「住民からすりゃあんな迷惑なものはない」
もちろんこうしたトラブルは今回に限ったことではない。毎年トラブルに見舞われている人の中には、
「住民からすりゃあんな迷惑なものはない」
「阿波踊りは大嫌い」
「来年は旅行にでも行こう」
と書き込んでいる人もいる。
ただ、近辺の商店の人たちに話を聞くと、「係りの人たちはしっかり清掃してくれている」という声が多い。実行委員会事務局によると、2日間で200人のボランティアが清掃などに従事し、近隣の小学生も手伝いに励んでいたという。
踊り手など参加者には注意喚起を行っているが、100万人近い見物者たちに徹底するのは難しいのが現状だ。