新国立の総工費1550億円、まだ高い? 旧計画から1000億円削減も国民の理解は得られるのか

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   2020年東京オリンピック・パラリンピックの主会場となる新国立競技場について、政府は総工費の上限を1550億円とする新しい整備計画を2015年8月28日に決定した。旧計画の総工費総額は2651億円だったことも公表され、新計画では「1000億円」という削減幅が強調された。

   一方で、工費が削減されたとはいえ、1550億円という工費について「十分高い」、「本当に守れるのか」という声が多く上がっている。

  • 新国立競技場ウェブサイトのトップページ 以前表示されていた旧計画のデザインは削除されている
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ロンドンの競技場は現在なら1474億円だとして正当化

   発表された新国立競技場の新計画では、様々な面で工費の削減がなされた。大きな要因として、「キールアーチ」と呼ばれる巨大なアーチで支える屋根は白紙化され、屋根のコストは950億円から238億円となった。収容人数は当初の8万人から6万8000人に減少。延床面積は22万4500平方メートルから19万4500平方メートルへと減じた。観客席の空調や、スポーツ博物館などの周辺施設をとりやめ、競技場として必要最小限の設備にとどめた。その結果、総工費は当初の1700億円程度という想定を下回り、1550億円とされた。

   だが、この数字についてネットでは、「十分高い」「世界の相場は500億だそうで、三倍出しても、『屋根も作れません』『冷房も付けられません』です」などと、納得していない声が多く見られる。

   遠藤利明五輪担当相のチームは、過去の海外の競技場について、面積を新国立に合わせ、15年7月の為替レートで換算するという"補正"をしたうえで工費を比較。結果、ロンドン五輪の競技場は1474億円(建設当時は約650億円)の試算が出たなどとし、新計画の1550億円という数字を正当化した。

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