大手まとめサイト「オレ的ゲーム速報@JIN」がツイッターに一時的にアクセスできなくなる騒動があった。同サイトがツイッターの運営から、ソフトウェアを勝手にインストールしたり、個人情報を盗んだりする「スパムサイト」に認定されたとみられるためだ。
すでに復旧しているものの、「スパム認定」された理由は専門家も「管理人も(運営に)教えてもらえない可能性が高い」と話す。
管理人「アクセス数が50万減った」
同サイトのツイッターアカウントは15年8月28日18時現在で約41万のフォロワー数を誇り、まとめサイトの中でもひときわ大きな影響力を持つ。主に、記事のアドレスをツイートしてサイト側へ訪問者を誘導する、という使い方をしていた。
異変が起こったのは8月27日12時ごろ。突然、同サイトのアカウントが、
「オレ的のurlがツイッターにスパム認定されたなうwwwwww」
と報告したのだ。
確かにその頃、同サイトのアドレス「jin115.com」は、ツイートもアクセスもできなかった。クリックしても「このリンクは安全ではない可能性があります」との注意書きに阻まれた。ただ、この状態は28日16時半頃に解除されたとみられ、現在は復旧している。
ツイッターの運営はしばしば「スパム認定」したアカウントを凍結したり、サイトへのアクセスを制限したりする。ただ、その判断基準は複雑だ。アカウントについては「自動化されたアプリやツールで短期間に多数のユーザーのフォローまたはフォロー解除した場合」をはじめ10以上の項目を公開する一方、サイトについては公表していない。「オレ的ゲーム速報」も27日の記事に、
「ボクが何をしたというの?ねえ(涙)」
と書くなど、身に覚えのない様子だった。
ちなみに管理人jin115氏は28日深夜に「ニコニコ生放送」へ登場。「スパム認定」されたことで、27日のアクセス数が26日に比べて約50万減ったと明かしている。
管理人が聞いても原因は教えてくれない?
なぜ「オレ的ゲーム速報」は「スパム認定」されたのか。過去にツイッターの「スパム認定」を受けて解除された、と明かす複数の個人ブログを確認したところ、いずれも運営から原因が明かされることはなかったそうだ。
専門家はどう見るのか。ITジャーナリストの井上トシユキさんは、可能性の高い2点を指摘する。
1つは著作権をめぐる問題だ。ツイッターはサイト内への埋め込みという形で、ツイート引用を認めている。しかし、井上さんによると「勝手にまとめサイトに使われると困る」というユーザーの苦情が運営側に寄せられていたのかもしれない、という。
2つは同サイトがツイッターのシステムに負荷を与えた可能性だ。「今やまとめサイトはbot(編注:自動的に作業するプログラム)を使って日々大量のツイートをまとめており、今回のケースもそれがツイッターのシステムに高い負荷をかけていた恐れがあります」と分析している。
ただ、本当の原因については「分からない」といい、「管理人が直接聞いても、運営に教えてもらえない可能性が高い」と話している。