最終回まで残すところ約1か月となった、NHK連続ドラマ小説「まれ」。視聴率の低迷からなかなか抜け出せず、最近では場当たり的なストーリー展開にも批判が出ている。
迷走ぶりは視聴者の間でも話題になっており、2015年8月24日放送回で主人公「希(まれ)」(土屋太鳳さん)の妊娠が判明すると、ネット上の盛り上がりはピークに達した。
計画書では「35歳で出産」のはずだったが...
「まれ」は石川県能登地方を舞台に、「世界一のケーキ職人」の夢を追いかけるヒロイン・希の半生と、家族や仲間たちとの絆を描いた物語。横浜での厳しい洋菓子修業や遠距離結婚生活など、さまざまな試練を乗り越えて再び能登に戻った希は、8月20日放送回でついに自分の店をオープンさせた。
ところが24日放送回では、開店からわずか1か月半というタイミングで、希の妊娠が判明する。
正月早々に貧血を起こして病院へ行った希は、呆然とした状態で帰ってくる。夫の圭太(山崎賢人さん)が心配そうに尋ねると、お腹の中に双子がいて現在3か月であることを告げる。これを聞いた圭太は喜びを爆発させたが、希は予想外の状況に、
「...ほんで圭太、店どうしよう!始めたばっかりやがに、パティシエに戻ったがに、借金あるがに、もし休んだら潰れるがに!」
と動揺。それでも圭太から「双子やぞ。可愛さも倍、喜びも倍、幸せも倍、全部倍!金は俺が何とかするさけ!」と言われると、決意の表情をみせた。
視聴者は祝福するかと思われたが、放送中から放送後にかけ、ネット上ではツッコミが相次いだ。
というのも希は、これまで「生真面目で安定第一の女の子」として描かれてきたためだ。自他ともに認めるダメ人間の父親(大泉洋さん)を見て育った影響から「地道にコツコツ」を人生のモットーにしており、作中では自分で立てた「人生の計画書」もたびたび登場していた。
圭太との結婚を踏まえて作り直した計画書では、35歳で第1子を出産する予定になっていたのだが、実際は10年早くお母さんになることとなった。
脚本家に対しても疑問の声
もっとも予定通りにいかないのが人生であり、希自身、これまでも計画書どおりにいかないことが少なくなかった。ただ、妊娠に関しては避妊していればかなりの確率で防げそうなもの。そのため視聴者からは、
「え?希さん避妊してなかったの?計画表に書いておいて?」
「ガチガチの計画表はどうかとおもうけど、この妊娠は無計画すぎる...」
「地道にコツコツどころか、人生計画破綻しとるけどいいのか...」
「人生計画書はどこいった」
といった声が続出した。
こうしたツッコミは主人公のキャラそのものに対してだけではなく、脚本家にも及び、
「あと一ヶ月で最終回なのに、妊娠・出産させて世界一のパティシエまでやらせるなんて、脚本家さんの無計画っぷりったら」
「無計画にも等しいこのタイミングでの まれの妊娠は、違和感しかないわけなのですが......どうなんすかね、脚本家さん」
といった具合だ。
ちなみに次の26日放送回では男女の双子を無事に出産したのだが、視聴者からは、妊娠・出産の描写や扱いの軽さに対してもさまざまな注文がなされた。いくら「作り物」とはいえ、熱心な視聴者たちの目は厳しいようだ。