夏の電力需要ピークに適した電源?
原発が全基停止しても電力不足が起きず、電力需要ピーク時に太陽光発電が活躍する構図は、他の電力会社も同じだ。関西電力のピーク需要(最大電力)は8月4日午後4時で2557万キロワット。これに対するピーク時供給力は2781万キロワットで、このうち「他社からの受電」は634万キロワット。関電は6月末時点で原発3基に当たる303万キロワットの太陽光発電が送電網に接続しており、他社受電の半数近くを太陽光が占めたとみられる。
九州電力のピーク需要(最大電力)は8月6日午後4時で1500万キロワット。ピーク時供給力は1721万キロワットあり、うち他社からの受電は470万キロワット。九電は原発5基分に当たる517万キロワットの太陽光発電が送電網に接続しており、晴天時はフル活動したとみられる。
もちろん太陽光発電は日没後に発電ゼロとなり、曇天でも出力は下がる。しかし、真夏の電力需要のピークは晴天で気温の上がる午後に集中する。太陽光発電が最も活躍できるタイミングで、夏の電力需要ピークに適した電源だという声さえ出る。電力会社にとっても、真夏の需要ピーク時に民間の太陽光発電が電力を供給してくれることは、自社の火力発電の燃料代節約になるため悪いことではない。ただ、日が落ちても冷房需要が落ちないケースがあるため、太陽光発電が万能というわけではない。ただ、コストが高いこともあって電力会社に評判の悪い太陽光発電だが、使い道は意外にあるようだ。