アフリカは14年連続で増加
世界生産量が減少したのは、景気減速や倹約令の影響で需要が落ち込んだ中国の生産減が響いた。倹約令は習近平指導部が公務員の腐敗撲滅のために進めており、その動きは国民にも浸透、贅沢を戒める風潮が中国国内で広がって消費が控えられるようになっている。飲酒も例外でないというわけだ。
一方、倹約令のあおりで国外での消費に走る中国人も増加しており、日本の訪日中国人の「爆買い」も倹約令の反動との指摘もあるほどだ。
新興国でもブラジルやベトナム、インド(0.5%増)などは好調。ブラジルは「2014年にサッカーワールカップが開催されて需要が伸びた」(キリン)のが大きい。それでも、中国の減少分をカバーし切れなかったようだ。
地域別の構成比ではアジアが33.9%(1.7%減)で6年連続1位、ヨーロッパ27.0%(1.7%減)、中南米17.2%(0.7%増)、北米12.8%(0.1%増)、アフリカ7.3%(5.2%増)などと続いた。アフリカは14年連続で増加しており注目の市場となっているほか、需要増が望めるベトナムなど新興国では、グローバル展開を進めるビール大手が工場を設置するなど投資も続いている。