「買った食パンがぬれていた」とウソのクレームをつけ、店の売上金30万円をだまし取った疑いで男が逮捕された。男は同じ手口でさまざまな店舗から5年のうちに2700万円を詐取した疑いが持たれており、ネットでも「誰もおかしいと思わないのか?」と驚きを隠せない様子だ。
ただ、同様の「クレーム詐欺」は過去に何度も発生していて、巧妙な手口が目立つ。
「誰もおかしいと思わないのか?」
男は2015年8月24日に詐欺容疑で逮捕。各種報道によると14年10月、東京都足立区のパン販売店に「食パンを2斤買ったが、1斤だけぬれている。どうしてくれるのか」と電話で虚偽のクレームをつけた直後、本社の社員になりすまして「すぐに対応するので、おわびの食パンを取りにいく。ついでに売上金を回収したいので持ってきて」と連絡。足立区内の歩道で店員からパン2斤(670円相当)と現金30万円を受け取ったという。
2010年以降、東京、千葉、神奈川、埼玉、茨城の1都4県のパン販売店やコンビニが、同様の手口で被害を受け、被害総額は約2700万円に上るという。警察はこちらも男が関与した疑いがあるとみて調べを進めている。
報道をうけ、ツイッターでは
「厳罰にしてほしい」
「酷すぎる」
といった怒りの声だけでなく
「誰もおかしいと思わないのか?」
「店もよく払ったな」
と驚きの声が上がった。多くの人は、店舗が売上金を渡した点に疑問を感じているようだ。
日経BP社の運営するポータルサイト「SAFETY JAPAN」が07年4月に掲載した記事「どうしてくれる!?クレーム担当者の奮闘日記」によると、こうした「クレーム詐欺」はその場で解決しようとせず、後日対応すると告げて相手の連絡先を聞くのが重要で、レジの現金に手を付けてはならないという。
今回、なぜ売上金に手を付けたのかは不明のままだ。