国民的清純派女優の首を縦にふらせた熱烈アプローチは、ロマンチックか、それともストーカーまがいの「奇行」か――。
女優の堀北真希さん(26)と結婚した俳優の山本耕史さん(38)が2015年8月24日放送の情報番組「とくダネ!」(フジテレビ系)にVTRで出演。そこで明かした求婚エピソードが大きな話題を呼んでいる。
堀北から「もう来ないでいいですから」とまで言われ...
「とくダネ!」の単独インタビューの応じた山本さんは、堀北さんとの出会いから結婚までの経緯を赤裸々に語った。
2人は09年のドラマ「アタシんちの男子」(フジテレビ系)で初共演し、山本さんはこの時からアプローチをスタートした。
だが、当時教えてもらった連絡先は所属事務所の番号。翌10年の再共演時には、「みんなで飲みに行こう」と誘っても「行きません」と断られたという。それでも山本さんはめげることなく、堀北さんが舞台をやれば楽屋へ行き、自身の連絡先を書いた手紙を渡したそうだ。
また、12年に堀北さんがNHKの朝ドラ「梅ちゃん先生」に出演した際は、山本さんが出演するNHK大河「平清盛」の撮影スタジオがちょうど隣という縁に恵まれた。そこで山本さんは毎日、衣装のままスタジオに遊びに行き、ついには「もう来ないでいいですから」とまで言われたという。
そして15年5月、舞台「嵐が丘」で約5年ぶりに再共演を果たすと、山本さんは手紙での猛アタックを試みた。「稽古の後半、毎日渡し続け」、その数は40通近くにものぼったというから驚きだ。しかし、ここでも堀北さんからの返事はゼロだった。
だが千秋楽の日、大きな変化があった。山本さんが「連絡先も教えてくれないし、せめて俺の番号を教えさせてくれ」と頼むと、その夜、LINEで「お疲れ様でした」とのメッセージが届いたという。
少しずつ距離が縮まると、山本さんは「会わなきゃだめだ!」と思うようになり「奇策」に出る。ある日、堀北さんが京都に行くことを知った山本さんは「勘」で新幹線を予約。もし会えたら指輪を渡そうと決意して乗り込むと、奇跡的にも堀北さんが乗っていたというのだ。
最終的には、山本さんが告げた「交際じゃなくて、結婚しましょう」との言葉が堀北さんの心に刺さり、6月には同居をスタート。その約2か月後、「電撃婚」で日本中を驚かせた。
「ドラマみたい」「ほとんどストーカー」
まさに「執念」ともいえる山本さんの行動と展開に、インターネット上では「ドラマみたい」との声が相次いだ。...だが一方では「女性からするとちょっと怖いのでは?」「ほとんどストーカー」といった指摘も目立った。
「熱烈なアプローチ」と「ストーカー行為」の線引きは難しく、盲目的になっている当事者はその違いに気づかないケースもあるだろう。山本さんは見事成就したからいいものの、これに触発されてマネをした場合、下手をすればストーカー扱いされかねない。
山本さんの行動について「マネをすると危険なもの」をアディーレ法律事務所の篠田恵里香弁護士に聞いたところ、記事中で紹介した行動は「ほぼ全て、ストーカー規制法のつきまとい等に該当する可能性があります」との見方を示した。
「そして、これが繰り返し行われている以上、本人が『ストーカーみたいで怖い』と思った場合には、ストーカー行為に該当し、ストーカー規制法違反となる可能性は十分にあります」(篠田弁護士)
つまり今回は、堀北さんが「嫌だとは思わなかった」「警察に訴えるという行動に至らなかった」ために「ストーカー行為」にならなかっただけで、その行為自体は十分に「危ない」ものだったようだ。
ただ山本さんは、これまで数多くの女性芸能人との熱愛が報じられてきた芸能界きってのプレイボーイ。堀北さんが本気で嫌がってないことを長年の経験で察知、こうした行動を取っていたのかもしれない。
「しつこいラブレター」で逮捕されたケースも
ちなみに、今回とくに注目されているのが「返事がないのに40通近く手紙を渡し続けた」というエピソードだ。
2012年には、千葉県在住の41歳無職の男が20代のコンビニ店員に交際を求める手紙を複数回渡すなどし、ストーカー規制法違反で逮捕されていることから「やってること同じなのに」という指摘が多々あがっている。
これについて篠田弁護士は、
「手紙を渡す行為は、まず手紙の内容が『面会・交際等義務なき行為の要求』であるかが問題になります。手紙に『好きです』などと書いただけで、『二人で食事に行こう』とか『おつきあいしてください』と書いていなければ『要求』にはあたらず、この点でストーカー行為にはあたりません」
と説明する。山本さんの手紙の全容は不明だが、VTRでは「何かやりにくいことがあったら教えてください」「今日の調子はいかがですか?」などと、堀北さんを思いやる言葉を綴っていたと紹介されていた。
さらに、手紙を渡すための行動が「つきまとい・待ち伏せ・押しかけ」に当たらないかも問題となるという。
「手紙を渡すために、仕事先で待ち伏せしたりするとNGですが、あえてつきまとったのではなく、仕事で会う際に手紙を渡したということであればつきまとい等にはならないでしょう」(篠田弁護士)
また、相手が嫌がっているのにむりやり渡したり、手紙を勝手に送りつけたりする行為は「手紙を受けとる義務がないのに受け取るよう要求した」と判断される可能性もあるという。
前出の無職男はその後、女性から受け取りを断られたため、別の店員に女性宛ての手紙を託す行動に出ていた。一方、山本さんは手紙の返事こそもらえなかったものの、一度も拒否されることはなかったそうだ。
「40通の手紙」というと強烈なインパクトがあるが、堀北さんがすべて受け取っていたことからも、山本さんの手紙はあくまで「情熱的な愛情表現」。しかし、一般の人がやるのにはリスクもありそうだ。