「就業規則に反するものであったならば、厳正な対応を図ってまいります」
本人を名乗る書き込みに対しては、
「つうか、相手の運転が悪いならキチンと処理しろよ。仕事中に事故られてんだから労災もおりるだろ」
などといった意見が返された。
「2ちゃんねる」内の書き込み全体としては、今回の騒動は13年9月に起こった「しまむら」の土下座事件とは性質が異なり、悪いのは大学生ではなく乱暴な運転をしたカップルの方なのではないか、といった意見が多いようだ。
しかし、話はそう簡単ではない。今回の「土下座騒動」を起こした大学生アルバイトは強要罪に問われないのか。アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士に聞いてみた。
強要罪は「脅迫」又は「暴行」し、人に法律上の義務のないことを行わせた場合に成立する。
今回の場合は土下座という法律上の義務のない行為をさせられていて、暴行、脅迫はかなり広い範囲で認められるため、
「 土下座しながらカップルが泣いていたという状況も考えると 本件でも暴行・脅迫が認められるのではないかと思われます。したがって、強要罪が成立する可能性は高いですね」
と岩沙弁護士は説明する。
また、ネット上では不適切な運転をしていたカップルの方が悪いのだから、男子大学生に強要罪は成立しないのではないか、と考えている人もいるけれども「それは違います」と強調した。相手が悪かったとしても、強要罪にあたるような仕返しをしてはいけないからだ。実際にこうした場面に遭遇した場合の正しい対応としては、怪我をしたのであれば相手の住所・氏名などを確認し、交通事故として警察に届けること。車がぶつかっておらず、怪我もしていないが車が道交法に違反する運転だった場合は警察に報告することが考えられる。証拠があり、悪質だと判断されれば警察が立件する可能性もあるとしている。
ピザチェーンの本部に今回の事件の経緯と「真相」について取材を申し込んだのだが、従業員のツイートの一つ一つの内容に関してお答えすることはない、とした上で、
「事実確認をし、それが就業規則に反するものであったならば、厳正な対応を図ってまいります」
とだけ回答した。