政府の姿勢は、いかにも中途半端
日本では高度経済成長期ごろから、男性が企業で長時間労働し、女性が家庭で家事や育児を担うという男女の働き方が作られてしまった。欧米の多くの国では、こうした仕組みを改善しようと、家族を支援するさまざまな取り組みが行われてきたが、日本では長時間労働する男性の働き方が変えられず、さまざまな弊害を生む状態が続いてきた。
日本の家庭政策に向ける公的な予算も少なく、子育て支援の予算は国内総生産(GDP)比で先進国の中でも最低レベルとされる。
社会や経済問題の研究者の間では、「今や、男女平等が進んでいる国の方が、GDPが高い」との声は多い。男女平等とワークライフバランスが経済成長の大きな要因でもあるというのだ。経済を成長に向かわせるためにも、子育て支援は不可欠というわけだ。
政府が積極的に、新しい男女の働き方の仕組み作りや、支援のための予算投入に積極的に動かなければどうにもならない。「女性活用」「男性の育休取得を増やせ」などのかけ声ばかり大きい政府の姿勢は、いかにも中途半端と言わざるを得ないようだ。