格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンのパイロット2人が、操縦室で業務と無関係な写真を撮影して乗務停止1週間の処分を受けた。こういった問題は、ネット上にアップロードした写真が問題になって発覚することが多いが、今回は少々事情が違う。
パイロットが出会い系アプリを通じて知り合った「知人女性」にLINEで写真を送り、その知人女性がパイロットの行為を会社に通報。パイロットからすれば、実にみっともない形での問題発覚となった。
「知人女性」とは出会い系アプリで知り合う
ジェットスター・ジャパンによると、処分を受けたのは機長(64)と副操縦士(49)。2人とも2015年8月5日付で「業務に専念すべきだった」として乗務停止1週間の処分を受けた。2人の国籍は明らかにしていない。
問題視されているのは操縦室での写真撮影だ。13年春には、副操縦士が操縦席から客室にアナウンスする様子を機長が撮影。それ以外にも、副操縦士は社外秘の運航マニュアルの表紙や操縦室内の計器類を撮影した。副操縦士は、これらの写真を15年6月頃から複数回にわたってLINEを使って知人女性に送信していた。副操縦士は女性と出会い系アプリを通じて知り合い、副操縦士は社内調査に対して
「女性が『航空について勉強したい』と言っていたので送った」
などと話しているという。
「知人女性」は実在しないという説も
副操縦士か最初に写真を送ってからわずか1か月で2人の関係が変化したのか、知人女性を名乗る人が7月下旬に会社に対して副操縦士の行為を通報。この通報で会社は事実を把握し、社内調査を行ってパイロット2人の処分を決めた。
ただ、この「知人女性」は実在していないという情報もあり、単なる「告発」だった可能性もある。
ジェットスター・ジャパンの広報担当者は
「乗務員教育を改めて徹底したい」
と話している。
ジェットスター・ジャパンはすでに事態を国土交通省に報告している。今回処分された2人の行為が「操縦者の見張り義務」を定めた航空法に抵触するかは現時点では明らかではないが、15年6月には日本航空(JAL)の機長が、副操縦士がトイレのために席を離れているときに客室乗務員(CA)を操縦席に座らせて記念撮影していたとして、厳重注意を受けている。