衣料品大手の「ファッションセンターしまむら」で、ナチスドイツのシンボル「ハーケンクロイツ(鉤十字)」を連想させるデザインの商品が販売されていたとして物議をかもしている。
同社は消費者からの問い合わせを受け、2015年8月20日から販売を見合わせた。
買い物客が写真付きでツイート
問題視されている商品は、しまむらが展開する衣料品チェーン「ファッションセンターしまむら」で販売された男性向けのネックレス付きタンクトップだ。ネックレスは鉄十字の中心に「卍」を反転させた「右卍」が描かれたデザインだ。
この商品がしまむらで販売されていると8月19日、買い物客が写真付きでツイート。ネットでは、ナチスドイツのシンボルマークである「ハーケンクロイツ」を連想させるとして、
「ハーケンクロイツはマズいだろ」
「これ使うのありえない!」
とネット上で物議をかもした。
しまむらの広報担当者によると、8月19日中に消費者から問い合わせがあり、翌20日から販売をいったん停止した。販売再開については現時点で未定だという。
同商品はしまむらが企画、製造したものではなく、メーカーが製造したものをバイヤーが購入し、7月上旬から販売していた。問い合わせがあったのは8月19日が初めてだという。商品に対する認識や問い合わせの件数、製造元などは回答できない、とした。
過去にはポケモンでも物議
ハーケンクロイツは、ナチスドイツで国旗として採用された過去がある。現在のドイツではナチスを宣伝する行為として、公共の場での展示などが取り締まりの対象になっている。
日本では法律で規制はされていないが、問題視されたケースはある。1999年、人気ゲーム「ポケットモンスター」のカードで、キャラクターの背景に「卍」が入っていた。アメリカやカナダで問い合わせが相次ぎ、任天堂は製造を中止した。
2010年には、ディスカウントストア「ドン・キホーテ」でヒトラーを連想させるコスプレグッズが販売され、ユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が抗議文書を送った。