ソーシャルゲーム大手のグリーは2015年6月期連結決算で、最終損益が103億円の赤字(前期の173億円の黒字)に転落した。
最終赤字となるのは2008年に上場して以来、初めて。売上高は前年同期比26.4%減の924億円、営業利益も42.2%減の202億円と大幅な減収減益となった。
米国のゲーム開発子会社が不振
グリーは2012年に北米展開をにらんで米国のゲーム開発子会社「Funzio」を買収したが、この会社のスマートフォン向けゲームの売り上げが低迷し、予定されていた新作ゲームの提供も中止になった。Funzioの業績は当初計画を下回り、「出資時に想定していた収益が見込めなくなった」(グリー)ことなどから、2015年6月期に合計351億円の減損損失を計上したのが響いた。
フィーチャーフォン向けゲームで急成長したグリーは、普及が急速に進むスマホに対応しようと「消滅都市」などの人気ゲームを開発した。しかし、ライバルであるガンホー・オンライン・エンターテイメントの「パズル&ドラゴンズ」や、ミクシィの「モンスターストライク」といった大ヒットゲームを生み出すまでには至らず、課金収入は減少。スマホゲームの不調が、売上高の大幅減に影響した。
グリーの初の赤字転落に対し、ネット上には「赤字が初というのは意外だった」「ソーシャルゲームバブルも一服ということか」「おごれる者久しからず」「どこででもゲームしている人いるから、もっと伸びる会社だと思っていた」「キャッシュフローは全く問題がない。全然盤石」といったさまざまなコメントが並んでおり、関心の高さをうかがわせる。