「自分中心、利己的考え」批判していた 武藤貴也議員に未公開株がらみの大疑惑

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   自民党の武藤貴也衆院議員(36)が、国会議員枠の未公開株が買えると4000万円余を集金し、その一部が返済されていないとの週刊誌報道を受けて、自民党を離党した。もし報道内容が事実とすれば犯罪に当たる可能性もあるだけに、ネット上では、議員辞職を求める声も相次いでいる。

   「彼ら彼女らの主張は『だって戦争に行きたくないじゃん』という自分中心、極端な利己的考えに基づく」。武藤貴也議員は2015年7月、安保法案反対のデモを行っている学生団体「SEALDs」をツイッターでこう揶揄して、物議を醸した。

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国会議員枠の未公開株を押さえてあった??

   武藤氏はこのとき、自らの主張を曲げなかったが、今回ばかりは風向きが違ったようだ。

   週刊文春の15年8月19日発売号によると、武藤氏は14年10月29日、学生時代からの知人に対し、最低でも2倍に値上がり確実なソフトウェア会社「CRI・ミドルウェア」の株を買うことを持ちかけた。武藤氏側がエイチ・エス証券の幹部と知り合いのため、国会議員枠の未公開株を押さえてあるとの話だった。

   知人とは、このときラインでやり取りしたが、衆院外務委員会の審議中だったという。

   武藤氏は、自分にはお金がないので集めてほしいとこの知人に事情を説明し、知人は、利益の半分は武藤氏に渡す約束で承諾した。知人が呼びかけたところ、投資家23人から計4104万円が集まった。新規公開後のCRI・ミドルウェアの株価は、上場日の11月27日に5倍以上にもなったが、武藤氏側はその前日、内々にする約束を破った関係者がいて未公開株を買えなかったと知人に連絡した。

   しかし、うち700万円が投資家6人に返済されないままになっているという。

   武藤氏側は、文春の取材に対し、この知人に計1億円を貸し付けたが、返済されないため、「これで挽回できるかもしれない」とお金を集めることを求めたと釈明した。

ネット上では、議員辞職すべきとの声が相次ぐ

   さらに、武藤貴也氏側は、投資家に返済していない700万円について、知人に貸し付けるために借りた人にお金を返す用途に充てたことを明らかにした。

   文春の記事では、もしそうだとすれば横領罪、最初から株を購入するつもりがないまま金集めをしたなら詐欺罪に当たるとの専門家の見方を紹介している。また、武藤氏側が知人に貸し付けた1億円については、資産等報告書に記載する義務があるが、武藤氏側は記載していないと指摘している。

   これに対し、武藤氏は19日、マスコミ取材に対し、関係者には迷惑をかけたと謝罪し、今後は関係者と相談してきちんと対応したいとするコメントを出した。しかし、報道によると、自民党執行部からは、「この件は厳しい」との声が出ており、武藤氏を離党させる方向で調整しているとされた。武藤氏はその後、自民党本部に離党届を出して受理された。

   ネット上では、離党でも不十分だとして、議員を辞職すべきだとの声が相次いでいる。武藤氏に利己的だと揶揄されたSEALDsは、ツイッターで「利己的とか言ってたのって何だったんだろう...」と辞職しない武藤氏に疑問を呈した。

   エイチ・エス証券の人事総務部では、J-CASTニュースの取材に対し、「武藤議員と弊社の間には取引関係がなく、この件に関してのやり取りもございません」とコメントした。国会議員枠の未公開株についても、「特定の職種・業種等に対するIPO株式を優先的に配分する『枠』を設けるような制度は設けておりません」と否定している。

   CRI・ミドルウェアの広報担当者は、「本件については、当社は何の関わりもございません」と取材に答えた。

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