2020年東京五輪のエンブレムを手がけたデザイナーの佐野研二郎氏(43)が画像共有サービス「Pinterest(ピンタレスト)」を使用していた可能性が高まったとして、インターネット上で騒ぎになっている。
2015年8月5日の記者会見では、ピンタレストについて聞かれた際「見ていない」と答えていたとされたが、ネットの人々の「捜査」により佐野氏のアドレスの登録情報が見つかった。その後、本人のものと思われるアカウントが削除されたため、騒動はより大きくなった。
「このメールアドレスはすでに使用中です」
ピンタレストは、お気に入りの画像をウェブ上の「ボード」に張りつけてストックしたり、趣味の合う人のボードをフォローしたりできるサービス。世界中のロゴデザインも数多く投稿されており、デザイナー界隈でも注目を集めている。
佐野氏が手がけた五輪エンブレムについて「盗作」だと指摘しているベルギー人デザイナーは「(エンブレムと酷似している)劇場ロゴはピンタレストで頻繁に共有されている」とし、佐野氏が事前にネット上で見た可能性があると主張している。そのため5日の会見でもピンタレストに関する質問がぶつけられた。
スポニチアネックスの一問一答記事では、記者がベルギー人の主張を伝えた上で「『ピンタレスト』というサイトは見たことがあるか?」と質問し、これに佐野氏が「見ておりません」と答えたと報じた。
すると「本当にピンタレストを見たことがないのか」と疑った人々が8月15日ごろからネット上で「捜査」をスタート。ネット上で公開されていた佐野氏のメールアドレスを使ってネット民が登録を試みたところ「このメールアドレスはすでに使用中です」というメッセージが表示されたことから、大騒ぎになった。
また「捜査」の渦中には、佐野氏のものとみられるアカウントが途中で別の名前になり、まもなくして退会するという動きがあった。そのためネットニュースやまとめサイトが断定的な見出しをつけて紹介するなどして、騒動に拍車をかけた。