韓国の7人組男性アイドルグループ「Block B」のメンバーが、韓国の独立記念日を祝う音楽祭で日本語入りのジャケットを着て出演し、謝罪に追い込まれた。メンバーらは日本語もできたらしいが、なぜこのようなことになったのか。
ソウルで音楽祭があった2015年8月15日は、韓国では、日本からの独立を祝う光復節の70周年に当たっていた。
スウェーデンのブランド「H&M」のものだった
ジャケットを着ていたのはピオさん(22)で、韓国のネット上に投稿された写真を見ると、白地のジャケットの背中には、「問題ない」と日本語の文字が大きく入っていた。さらに、左胸にも、この文字が黒字で入っている。
韓国では、この写真が大きな問題になり、ネット上では、ピオさんらへの批判が殺到した。
「日本の右翼が歴史問題を否定するときによく使う言葉だ」
「よりによって、光復節のときに着て出てくるとは」「もう消えてなくなってしまえ! この売国奴め」...
この騒ぎを受けて、ピオさんは16日、Block Bの公式ツイッター上で謝罪した。ジャケットを着た理由については触れずに「今回のことは、私の過ちによるものです」とし、「趣旨と合わない衣装で舞台に立つことになって、多くの方々に不快感を抱かせてしまいました」とつづった。所属事務所のセブンシーズンズでもこの日、フェイスブックなどで、事務所側のミスも認め、「事前にきちんと衣装をチェックできないままステージに立ってしまいました」と釈明した。
ツイッターなどでは、ファンから激励も多数寄せられているが、批判や不満もまだくすぶっている状態だ。フェイスブックの釈明文には、500件以上もコメントがついて、炎上状態になっている。
ピオさんの着ていたジャケットは、スウェーデンのブランド「H&M」のものだと分かった。
独立を祝っても「問題ない」との意思表示??
ツイッターなどを見ると、「問題ない」と書かれたH&Mのジャケットを着た人々の写真がいくつかアップされている。
Block Bは、15年1月に日本でもデビューしており、5月には、日本で初めての単独ツアーもしていた。ピオさんは、こうした機会に日本の店舗でジャケットを購入していたのだろうか。もっとも、H&Mは韓国でも出店しており、ピオさんがそこで買った可能性も否定できない。
H&Mの日本法人に取材すると、広報担当者はお盆休みのためか不在で、カスタマーサービスに問い合わせても、商品は店舗ごとに管理しているので、来店しないと在庫は確認できないとのことだった。
ゴリラダンスが受けてブレークしたBlock Bは、そのやんちゃなキャラが災いして、度々トラブルが報じられている。
タイで2012年に洪水被害があったとき、メンバーの1人が寄付する金額について、「7000ウォン(約500円)」とジョークを飛ばして、批判が相次いだことがある。また、Block Bメンバーのミニユニットが15年4月にプロモーション・ビデオを公開したとき、和服から脚を出した若い女性がメンバーから服を脱がされるようなシーンが物議を醸した。
Block Bには、日本留学を経験したメンバーもおり、全員がある程度は日本語ができるとされる。ジャケットの日本語の意味に誰も気づかなかったとは考えられず、メンバーらが日本からの独立を祝っても「問題ない」との意思表示をした可能性などもあるかもしれない。とはいえ、これも根拠のない憶測に過ぎず、真相は依然としてナゾのままだ。